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大西 智貴(Tomoki Ohnishi)

農家になって最初の年。日照り続きで雨が無く、何日も畑の草取りばかりしていた時、急に雨が降り出したことがあります。その雨が作物の葉を打つ音が、まさに作物があげる歓喜の声に聞こえる錯覚をして喜んだことを覚えています。

この仕事を頑張ろうと思った瞬間でした。

自然の中で、作物の育つ手助けをしてそのおこぼれをもらって、また次に繋げていく、そんな農業を続けていきたいと思います。

ここ数年で美瑛にお越しになる方の数は何倍にもなったと感じています。それと同時にマナーの問題や、道端に目に付くゴミも増えています。

刈り払い機で畔草を刈っていたら空き缶を巻き込んでケガをしたこともあります。このままでは美瑛の農業景観は、観光で訪れる方にとって使い捨ての観光地のままなのではないかと危機感を感じています。

このプロジェクトを通して、農家と美瑛を訪れる方の接点をたくさん作ることで関係を築いて、美しい風景の先にブラウマンの気配を感じてもらえたらと思います。

美瑛の美しい丘陵は農業をする上ではハンデでですが、畑が雪に埋もれた冬場は僕たちの恰好の遊び場にもなります。”雪板”という、手作りのビンディングの無いスノーボードで誰も足を踏み入れていない美瑛の丘を滑る爽快感や解放感はこの上ない自慢です。

自分自身、この環境で農業を生業にできていることが素晴らしいことだと感じています。この先も続けていきたいと思いますし、この喜びを感じてくれる人に繋いでいきたいと思っています。